『near,far,near,far』
きのうまで共に過ごした人と
今日からは離ればなれになったり
おととい地球の反対にいた人が
たった今隣に座っていたり
距離をかみしめ
一歩を踏みしめる間もなく
世界はスピードを増していく
なぜ心の距離は
遠くにいるほど近く
近くにいるほど遠いのだろう
この景色を線にして、遥か彼方へ会いに行こう
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■movie■
練馬区立美術館 PLATFORM2011
浜田涼・小林耕平・鮫島大輔
ー距離をはかるー
展示関連イベントとしての小作品
□near,far 写真■
【作品概要】
美術館ロビー階段上部
遠くの”きみ”に手紙を読む
その手紙で紙飛行機を折り、想いを乗せて飛ばす。
音楽とともにからだはあとから風船にゆられ、空から降りてくる。
途中で虹と出会い、虹を歩きながら地上の近くへ。
遠くの青い風船と近くの赤い風船。
点と点を結ぶ線。
リュックの中の地図を取り出し、地面に広げ世界の距離をはかる
地図を飛び出し、からだのいろんなところで空間をはかり、
見える実体の距離、見えない意識の距離をはかろうとする
時間軸のような一定のリズムが聞こえ出し、踊りが始まる。
時間の中で速さを変えて距離を測ったり、遠くのこと近くのことを想うダンス。
速さでも超えられない距離を知り、近くを見つめ直す。
近くの赤い風船のもとへ。
言葉とともに、リュックから沢山の紙テープを取り出し、転がしたり、伸ばしたり、
記憶の距離、心の距離を視覚化していく。
点と点が線になり、線が繋がり、面になり、世界と繋がり包まれていることを知る。
リュックを背負い、赤い風船とともに外へ。
大きなロビーのガラス越しに見える一枚の大きな絵のような日常の風景。
いつも近くにある日常の美しさを認識し、そこにある幸せを纏いながら進む。
ずっと共にいた赤い風船を空に放つ。
音楽を纏った残された日常の風景と、遠く近くを想う。
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紙飛行機、風船(ゴム製 赤・青)、紙テープ(虹七色、白、赤)、世界地図
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photo:Horomi Shinada