ceaselessly of Kae Touyama web

東山佳永
kae touyama

脈々と 
ceaselessly
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水脈として続く川、血脈として続く町

それがこの土地の文脈となり、絶え間なく流れ続ける。

自らの源を探り 家系図を辿るように この水滴の源を辿る

その音に重ねながら 今が続く その裾野をゆく

水滴は 偶然の出会いを重ね

また新たな命を育む

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『水脈の部屋』

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『血脈の部屋』


東山佳永と津田翔平  
Touyama Kae to Tsuda Shohei

空間をしつらえ動きや言葉を編むことで物語を生む作家:東山佳永と、
既にそこに在る事象を拡張することで空間を再構築する作家:津田翔平によるユニット。
東京を拠点に、様々な土地/場所でその場の声を汲み取り、形に起こしていく。

> http://touyamakae.net
> http://shoheitsuda.net


                          協力:株式会社キノシタ、法泉寺、福隅三枝さん

『水脈の部屋』

この町を歩いていると絶え間なく聞こえる水の音から、
私達の日常も水脈の中にいきていることを実感させられました。
この詰所では会館の管理人の方がご家族と3人で暮らしていたそうです。
私たちは、工事のために切り崩されたお寺の土をお借りして、
かつて人が生活されていた空間に一つの山を作りました。
山肌には生活用品を使い、棚田や畑、田んぼ等の模様を描いています。
台所からはこの土地に住むおばあちゃんが台所で水仕事をしている音が流れ、
水道の蛇口から流れ出る水はお風呂場の排水溝へと水脈を辿ります。


この古い町並みと隣り合わせに180度違う風景がある高台の開発地、
そこの生活排水が濾過され、この土地に降りてきているという話も聞きました。
そしてその水がまたここで使用され自然に戻り、さらに下流の誰かの元へと向かっていく。
私たちが使った水や空気がその土地をまた作り、
その暮らし方が自然へ還り私達に反映していくということを
改めてこの場所が問いかけている気がします。




『血脈の部屋』
大きな日本家屋や倉、井戸など昔から代々と大切にされてきただろう建物が残る風景から、
土地に根付く血脈を感じました。
裏にある大里公園で枝を拾い集め、窓の外にある
1本の木の枝から徐々に部屋の中へと広がるように繋いでいきました。
その行為は、違う血脈の人同士が出会い、また新たに流れを作っていく様子と重なります。

私達は、ある一人のおばあちゃんを通して、この地を深く知っていきました。
この土地に生まれ育ったおじいちゃんの家系図と
嫁いで来たおばあちゃんの家系図の名前を、
作家二人が読み上げることで、二人が出会い、重なり、広がってゆく様子を描いています。
落ちた葉や切られた枝木が蘇っていくように、
この土地にまつわる人の物語の断片、記憶の断片を拾い、音として集約しました。
木についた葉は、作者が会場に居る時間に、この部屋で出会った鑑賞者の方々に結んでもらった落ち葉。
この木の葉や枝木たちのように縁で結ばれ、この場所を想い、生きる人々の血脈は今日も流れているのです。

素材/Material
【和室】水、土、音響機他
【洋室】木枝、葉、塗料、電球、音響機材、家系図、他