彼方の言葉を話す足音
遥かな地を描く足跡
息深く
はずむ はやる 外を行く
雪が降り
つもる つのる 内と待つ
灯りをともし 導になろう
またここで 会うために
■movie■
会場:Fleurs de chocolat atelier
日時:2012 12/1〜12/2
fuyuakari photo
だれかをなにかを待つ部屋。観客はその部屋に訪問しお茶をふるまわれる。
パフォーマンスが始まると、壁の毛糸の絵が、
次第に”中で待つ風景”から→それぞれの靴の記憶する待っていた”外の風景”へと変わっていく。
いつのまにか観客のいる部屋の中は外になり、カーテンを開けると、
窓の外、町中が部屋になっているように見える。
演目が終わると、皆、その部屋に、待っている人がいる場所に帰っていく。
内外の逆転を錯覚させる作品。
【concept】
その人が溶け出してゆく部屋の中
しっかりと身体におさまる外
輪郭がくっきりと浮き立つ冬
その線を内と外は見つめ合う
存在は線で形とられていく
ものの形はなにかの答えだ
モノの用途、植物の生態、その人の意思、生き方
部屋の中、外をうつす透明な窓は
隔てるものなんてないと言っている気がした
全てが受け入れてくれているのだと
窓の外を見つめながら待つ
待つことは信じることならば
あのとき待っていたのは何だっただろう、
あのころ信じたくなかったことを、認められるようになっただろうか
内と外も、光と影も、生と死も
共に生きているそのことを
時間を歩み、灯りの中で君を待ちながら、そんなことを考えていた
【物語】
観客は、ある女の子の部屋に訪れる。
その部屋は玄関なのかキッチンなのかリビングなのか
窓には靴が並び、壁には毛糸で様々な部屋の絵が描かれている。
何かを毛糸を編んで誰かを待っている女の子。
ドアをノックする音が聞こえると、郵便箱の中を覗き込む。
子どもの頃受け取った母からの手紙だっり、恋人からのお花だったり、祖父のマッチだったり…
郵便箱は記憶の扉で、その物を受け取ると、その時の情景が浮かびあがる。
その時、部屋の中で待っていた風景から、徐々に外の音が聞こえだし
仕掛けの毛糸を引っ張ると、靴が動きだして、外で待ってた風景に移り変わる。
いつからかどれだけ待っても、ノックがならなくなる。
女の子は靴箱を整理しはじめると、子守唄が流れるオルゴールの箱をみつける。
オルゴールの中にはあかちゃんの時の靴と、星の種が入っている。
星の種はころころと転がり、今履く靴に女の子を導いて行く。
そして白い雪のブーツと出会う。
女の子はその靴を履き、外の景色になった記憶の部屋から出て行く。
カーテンが開くと、街が女の子の部屋になっていて、
彼女は雪が降る中、冬の静かな風景を愛おしみながら、きっともうすぐ会える喜びに心躍らす。
春のようなあの人にもうすぐ会える喜びに。
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毛糸、釘、オルゴール、古い手紙、花、マッチ、蝋燭、電球、ドライフラワーのリース、落ち葉、花びら
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<teteriaの冬灯りりんごティー>
リンデン、ローズマリー、シナモン、ショウガ、りんごジュース、お湯